光触媒コーティング
光触媒とは、二酸化チタンを主な成分として生まれた、コーティング剤のことをいいます。
二酸化チタンでコーティングされたものが、日光や照明などの光を受けると酸化還元反応が起こり、無害な水や二酸化炭素に分解されることによって、抗菌や空気の浄化、汚れの防止などの効果を発揮します。
二酸化チタンは食品や化粧品などに使用されているほど安全なものなので、酸化還元反応が起こってもそのもの自体の性質に変化はなく、人体への有害な影響もなく、安心安全に使用できることが光触媒の特徴です。
光合成とよく似た原理で、光合成をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
光合成の場合では、植物が日光を受けると、葉緑素を触媒に光エネルギー(紫外線)を利用して水と二酸化炭素から酸素を生成します。
光触媒の場合では、酸化チタンという金属を触媒にして、光エネルギー(紫外線)を使用して空気中に存在する水と酸素から活性酸素を生成します。
この強力な酸化力を持つ活性酸素によって、有機化合物が二酸化炭素と水に分解されることで抗菌、脱臭、汚れ防止などの効果を発揮します。
日光を受ける外壁の塗料などに光触媒を使うことが多いですが、最近では室内の抗菌にも有効な方法と認識されており、さまざまな場所で利用されるようになりました。
室内で使用されているのは、空気中の酸素や水分と反応する無光触媒コーティング、照明の光など人工的な光にも反応する可視光型光触媒コーティングとなっております。
コロナ禍で除菌、抗菌への関心がより高まった今だからこそ、光触媒という言葉が浸透し、採用される企業や家庭が増えてきております。
06.ウィルスや細菌等の除去(恐いレジオネラ菌に、銅の除菌効果)
近年、銭湯や温泉施設などでレジオネラ菌に感染し、命を落とすというニュースが世間の注目を集めました。
レジオネラ菌はもともと自然の中の土や水に生息する細菌で、循環式浴槽、給湯設備などの水や堆肥などから感染するとして恐れられています。
このレジオネラ菌に対する銅の殺菌試験を行いました。
試験は2つの方法で行いました。
ひとつは殺菌効果を試す試験で、水道用配管として使用されている銅、ステンレス、塩化ビニルの板にレジオネラ菌をまき、培養後の菌の数を測定しました。
その結果、試験片一枚あたり50万~60万CFUいた菌が、銅板では1000CFU以下に大幅に減少しました。
一方、ステンレス板、塩化ビニル板はほとんど減少しませんでした。
次に、銅イオン濃度と作用時間の関係を調べる試験では、段階的に濃度を変えた銅イオン溶液にレジオネラ菌を入れ、発生する菌の数を測定しました。
その結果、銅イオンの濃度と作用時間に比例して、殺菌効果が高くなることがわかりました。